ようこそ、レビー小体型認知症サポートネットワーク京都のホームページへ!!!
3か月毎の交流会のご案内や報告
顧問医の水野先生・協力医の先生方・運営スタッフから
色々な事を発信させて戴きます。
お知らせⅠ
2025年の交流会は、
1/25(土) 4/12(土 )7/12(土) 10/18(土)
いずれも13:30~16:00の予定です。
会場は、ハートピア京都か府立医科大学基礎医学学舎の
どちらかの予定です。
詳細は、ホームページでご案内致します。
【交流会 開催報告】講話:成本 迅先生 交流会協力:辻 輝之先生
10/12(土)13:30~16:00
ハートピア京都 第5会議室
今回は、協力医の成本 迅先生より「どのような時に入院を考えるのか・・・」~入院のメリット・デメリット~ というテーマで講話をして戴きました。
参加者の中には、まさしく精神状態悪化により入院を余儀なくされ、精神状態は落ち着いたものの身体機能の低下が著明となり
この先、どのようになっていくのか 家に帰る事ができるのか という先の見えない不安を抱えておられる方や夜間の頻回な排泄介助により介護者の睡眠時間が確保できず、疲労が蓄積しているものの、いける所まで行くしかない という精神状態で介護を続けておられるという方のお話も伺いました。
医療・介護専門職からは、単科精神科病院の精神保健福祉士の方から、入院から退院の流れを また、併設されている老人保健施設の介護支援専門員からは、
併設されているからこそできる対応や利用方法などについてお話を伺いました。
日常生活に支障がでてくると入院せざるを得ない事もあるかと思います。病院からの説明について不安や疑問を感じた時は、率直に病院側に伝えていく事が大切だと思います。「本人・家族としてはこのような生活を望んでいる、そのためにはどれくらいの入院治療期間が必要だと思われるのか どのような治療が必要なのか その治療をすることによってどういうリスクが考えられるのか」等、多分 病院側は説明されているのだと思いますが、必ずしも患者側の理解と一致しているとは言えないと思います。「相談して一緒に望む生活に向かえるように考えて戴きたい」という思いでお話することは大切かもしれません。
【医療・介護職向けセミナーpart2 開催報告】講師:辻 輝之先生 成本 迅先生
2024/8/10(土)13:30~16:00
ハートピア京都 第5会議室
今回は協力医の辻輝之先生からDLBの総論の講義を成本迅先生から入退院時の留意点や入院治療の内容などについての講義のあとグループで話し合いを行いました。
ご本人・ご家族が同席でのグループワークでしたので、難しい面もあったかと思いますが、双方の意見や思いを聞けたことで参考になったこともあったようです。
■下記アンケートの一部をご紹介いたします。
・家族様の直接的な声や、ドクターの意見、他職種の方の意見も聞けて、とても勉強になり参考になりました。
・ リハビリとして目の前の治療も大切であるとともに、ご本人さんご家族様が自由に自宅や施設を行き来でき、
ゆったりとした気持ちで治療やサービスが受けれる環境を今後も模索していきたいと思いました。
・ 全く無知な状況での参加でしたが、真摯に向き合っている方々がいらっしゃる事がわかり、心強く感じました。
【交流会 開催報告】講話:水野敏樹先生 交流会協力:近藤 悟先生
7/13(土)13:30~16:00
ハートピア京都 第5会議室
顧問医の水野敏樹先生から「やはり困る幻覚症状」というテーマで講話をして戴きました。
交流会では毎回 幻視等の精神症状の対応方法についてのご相談があります。
今回は幻視・誤認・錯視の違いや基本的な対応方法についても学びました。
幻視や幻覚への対方法については、否定も肯定もしない・原因を考える・大事なのは共感を示すかどうか・不安感をわかってあげること等。
理解できても日々の生活の中で実践するのは難しいことかもしれません。
家族だからわかる事・家族だからわかりたくない事等 色々な気持ちが混在する中で、
医療・介護専門職の力を借りる事は、ご本人、ご家族にとって少し生活しやすくなるかもしれません。
■下記、アンケートにお寄せいただきました感想の一部をご紹介します。
・参加の皆さんも同じように懸命に家族の事を考えておられ、ホッとしました。
・共感を示して不安感を思いやることが大切なことは頭ではよく理解しているのですが、私が疲れている時には、
意に反して強い口調にな ります。毎日がこのようなことの繰り返しで私自身の心のケアに留意しなければと 思いつつ過ごしています。
・幻視について、人それぞれに色々なでかたがり、その時の対応の仕方、また、症状により投薬される薬で幻視と症状が天秤あることも知りました。
【交流会 開催報告】講話:杉本英造先生 交流会協力:椿 恒雄先生
4/13(土)13:30~16:00
ハートピア京都 第5会議室
協力医の杉本英造先生から「レビー小体型認知症とパーキンソン病おさらい編」というテーマで
講話をして戴きました。
それぞれの病気についての基本的な説明と共に、検査画像の見方や特徴的な症状等について
わかりやすくお話をして戴きました。
交流会では、様々な質問や悩み等を共有しました。(一部紹介)
・根治できる方法がない限り、現状維持を少しでも長くしていくためにはどうすれば良いのか
・本人が病気の受け入れができず検査等が進められない
・いつも頭の中がぐるぐるしていてパニックなってしまい気が紛れない
・家族の言葉が自分を責められているように感じる
ご本人の個性や環境・生活背景に合わせて、伴走していく事が大切だという事を改めて痛感しました。
【医療・介護職向けセミナー 開催報告】
2024/3/23(土)13:30~16:00 府立医大基礎医学学舎
講師:水野敏樹先生 成本 迅先生
久しぶりに医療・介護職向けセミナーを京都府立医科大学 基礎医学学舎の第一講義室で開催しました。
会場15名 リモート17名の参加でした。
職種は、看護師・セラピスト・介護支援専門員・訪問介護員・歯科衛生士
ご本人・ご家族等
前半は、顧問医の水野先生からDLBの病気の特性や主にパーキンソン症状や自律神経症状について講義をして戴き、その知識をベースに症例への対応方法について、多職種でグループワークを行いました。
後半は、精神科の成本先生から幻視などの精神症状について対応方法や薬の効果や服用する事での副作用などについて詳しく講義して戴いた後に質疑応答を行いました。
ご本人・ご家族も参加されており、医療・介護職の皆さんはDLB患者さんを介護されている方の生の声が聞けたことで、より学びが深まったのではないかと思います。
お知らせⅡ
コラムを更新しました!!!
お知らせⅢ
「認知症関係当事者・支援者連絡会議」のホームページ動画チャンネルで配信中。
講義と座談会形式で
認知機能の日内変動・薬の過敏性・幻視・睡眠等
交流会で相談の多いテーマについて収録しております。
是非、参考にして戴ければと思います!!!
病気についてのお悩みや質問等がありましたら、ホームページの「お問い合わせ」からご連絡下さい。
お時間は多少頂戴致しますが、専門医やサポートスタッフからメールでお返事させて戴きます。
ひとりで抱え込まず、サポートネットワークをご活用下さい。
交流会では、心の中にあるものを出してみる
そういう事の繰り返しで、少しは気持ちが楽になることもあります。
介護者が心にゆとりが持てるようになると
患者様にもそれが伝わり、多少は良い方向に向かう事もあるかもしれません。
そして、何か気づくことがあるかもしれません。
まずは、最初の一歩を踏み出してみませんか?
レビー小体型認知症は、運動症状や精神症状等、特有のトラブルを生じやすく、家族介護者はもちろん専門職の皆さんも対応に悩まれることが多く、相談窓口が必要な病気です。サポートネットワークは、病気・医療・介護のこと等について、ご本人やご家族を中心として、医療・介護専門職等と一緒に学び、語り合い、理解を深める場です。できる限り、脳神経内科と精神科の専門医が同席し、困っている事、悩んでいる事等気軽にご相談戴ける場でもあります。「こういう時は、どういうふうに対応したらいいの?」「こんな時、気軽に相談できるところがあればいいのに」「これからどういうふうになるの?」などなど・・・一人で抱え込まず、気負わず、お気軽に交流会でご相談下さい。答えは出ないかもしれません、でも、話す事によって気づき、何かが変わり、得ていただける事があると思います。
■代表
居宅介護支援事業所 恵 介護支援専門員 布施美幸
■顧問医
水野敏樹先生 脳神経内科医 JCHO京都鞍馬口医療センター 院長
■協力医(あいうえお順)
杉本英造先生 脳神経内科医 杉本医院 院長
辻 輝之先生 脳神経内科医 医療法人 七生会 辻医院 院長
椿 恒雄先生 精神科医 医療法人 つばき医院 院長
成本迅先生 精神科医 京都府立医科大学大学院医学研究科
精神機能病態学 教授
レビー小体型認知症と聞かれるといったい何の病気?と思われた方も多いと思います。。一般の方は認知症と聞くと、認知症=アルツハイマーと思われている方も多いので、レビー小体型と言われてもなかなか病気のイメージが湧いてこないと思います。そもそもレビー小体って何?という話になってしまいます。脳神経内科専門医にはパーキンソン病の病理所見として有名なのですだが、内科医ですらこの所見をご存じの先生は決して多くはないありません。レビー小体の詳しい説明は専門のホームページ(http://dlbsn.org/what_dlb.html)へ譲るとして、レビー小体型認知症の簡単な説明として私は良くアルツハイマー病とパーキンソン病が重なった病気と説明しています。しかし実際患者さんや介護者さんにとって問題となる幻覚症状はアルツハイマー病で認める幻覚とも、パーキンソン病で認める幻覚とも異なる独特のもののためことがあり、どうしてこんな症状が出るの?この病気は何?ということになってしまいます。また特徴的な症状とされる転倒にもいくつかの要因がからんでおり、パーキンソン病の歩行障害の延長上にあるというよりは、自律神経障害による起立性低血圧やアセチルコリンの減少も加わった独特な症状と言うべきでしょう。レビー小体型認知症の病態として神経細胞同士のネットワークを支える神経伝達物質の異常があります。パーキンソン病で不足するドパミン、アルツハイマー病で不足するアセチルコリンだけでなく、不安神経症で不足するセロトニン、さらに自律神経に関連するノルエピネフリンと様々な神経伝達物質が低下してきます。これらの神経伝達物質の不足の程度は患者さんによって様々なため、患者さんがそれぞれ悩む症状も異なることになります。さらに本来必要な抗パーキンソン薬や抗認知症薬に対しても過敏性を示す患者さんもあり従って治療も一様ではないため、レビー小体型認知症に対する治療は慎重に対応する必要があります。是非患者さん自身、また介護者の方には自分の病気をしっかり勉強して頂き、DLBサポートネットワークを使って専門医にご相談頂ければと存じます。
JCHO京都鞍馬口医療センター 院長
水 野 敏 樹