A:言うまでもないことですが、ご自宅での生活が困難になった場合の選択肢として、入院と施設介護があります。
入院は身体疾患がある場合、精神症状が激しい場合の治療ということになります。
身体疾患はともかく、精神症状の入院治療を、御家族、介護関係者から求められる場合、薬で何とかなるというイメージで求められる場合が多いのですが、認知症の症状で、薬剤で調整できることは限られます。ですので、入院時点から1、2か月後の退院日時を決めてそこへ向けて治療とケアで改善を図るという方針の病院もあります(例:洛南病院)。一方で、閉鎖病棟での対応を日数制限なく受け入れている病院もあります(例:東山サナトリウム、双ヶ岡病院など十全会系)。いずれにしても大切なのは、御家族・支援者が、「家ではどうにもならない」から、病院へ、という形のつなぎではなく、どの点で家で暮らせないのか、どういうふうであれば対応可能なのかをできるだけ明確にしておくことが重要です。それによってつながれた病院は、家に帰ることができるかどうかの細かいアセスメントと、入院中の治療とケアの方向性を決めることができます。